2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

妖(もののけ)の涙――小説 玉璽物語十四

妖(もののけ)の涙――小説玉璽物語 十四 ど、どっどっ。どっどっどっ。蹄の音が大地を揺るがす。いつの間にか眠ってしまったらしい、私は飛び起きた。 日は高く昇り、赤金色の光が寝藁の上で踊っていた。半ば崩れおちた窓から外を伺うと、白馬の一団が野面を駆…