2010-01-01から1年間の記事一覧

丁夫人の嘆き(曹操の後庭)  三十四

丁夫人の嘆き(曹操の後庭) 三十四 「男とは名に生き名に死ぬもの。名士韓馥も襤褸がでたな。冀州(きしゅう)は大州じゃ、戸口は多く食糧は豊かときている。兵糧には事欠かぬ。しかも四通八達の地、地の利をえた土地じゃぞ。冀州を制圧するものは強大にな…

丁夫人の嘆き(曹操の後庭)  三十三

丁夫人の嘆き(曹操の後庭)三十三 胡三明の報告を受けた孟徳と衞茲(えいし)は顔を輝かせた。 「まことか?」 と、茲が三明に向き直り、つと膝を進めた。 「まことでございます。まもなく檄文がとどきましよう」 三明が自信たっぷりに応えた。 「あんた、…

禿が直ってきたよ

禿が直ってきたよ ニヤンタったら、みんなにちやほやされて態度でっかくなった。猫って増長するんだ。 昨日から禿に薄墨をかけたように毛が生えているのに気がついた。 そのかわり、悪戯がすごい。昨夜は仏壇に入り込んでお供え物をひっくりかえしたり、菊の…

関羽の故郷

関羽の故郷 山西省運城市解州鎭にある関羽の故郷です。 関帝廟になっているらしい。 わたしのブログ「関羽の写真の怪」で関羽の気味が悪い写真を載せたことが気になっていました。 そこで 信義に厚く主君に忠義、兄嫁には恭しくつかえ家族への情愛が細やかで…

家庭内別居は夫婦だけではない

家庭内別居は夫婦だけではない 家庭内別居は離婚の危機に瀕した夫婦だけの問題じゃないってことを知りました。 集金で顔をあわせるうちに、何日も人とおしゃべりをしたことがないお年寄りがいることに気がつきました。お食事もお一人で食べるので寂しいそう…

丁夫人の嘆き(曹操の後庭) 三十二

丁夫人の嘆き(曹操の後庭) 三十二 「とうとうやりなすったね」と、博労は風を孕んだ旗を目を細めて見上げた。わたしが刺繍した『曹』の文字が風に揺らいで登り龍のように躍っている。 博労も容易ならぬ旅をしたのらしい、雒陽で別れたときよりも頬がそげ落…

関羽の写真の怪

関羽の写真の怪 これじゃまるで心霊写真だ!怖い。関羽ファンの方、ごめんなさい。 「丁夫人の嘆き」を早く更新しなければと、細切れの時間をつなぎ合わせながら調べ物に没頭していたのです。写真の類は早い目にキャプチして整理をしておこうと、まだまだ先…

禿げちゃって ストレス?

禿げちゃって ストレス? 三日前からニヤンタの耳の横、白くなっている。よく見ると地肌が透けている。 あれ? かきわけてよっく見ると 白い部分が禿げです。 どうしたの? このごろ、バイトが忙しくて遊んでやれなかった。 ストレス? ふと、頭の中をあるこ…

ワクチンの日だ どうする? ニヤンタ

ワクチンの日だ どうする? ニヤンタ わが家にやってきて以来、有難いことに病気らしい病気一つせず勝手気ままに過ごしているニヤンタです。シャンプーと爪切りが苦手。 あら、変な歩き方している。爪切りしましょ。 だっこしてニヤンタの手のひらをさする。…

続 無錫三国城

続 無錫(むしゃく)三国城 正面入り口 虎牢関です。呂布の戦場ですね。 騎馬戦のショータイムらしいですね。 魏の軍隊レプリカのアップです。 呉の軍隊のレプリカのアップです。 蜀の軍隊のアップです。 グーグルMapで中国を拡大して、無錫(むしゃく)三国城で…

無錫の三国城

無錫の三国城 土豆網で千秋史話を見て、無錫の太湖に中央電視台のフィルムスタジオがあることを知った。日本ではメジャーではないが中国人観光客がいっぱい。 中央電視台(日本のNHKに相当)は政府の援助なしの無料放送、独立採算制で(←土豆網でしらべたので間…

ムカと野良猫

ムカと野良猫 今日から定例のバイト。 集金先のT奥様が珍しいでしょと、 みたこともない木の実を下さった。 長さ八センチ、皮は少し柔らかい。 切ってみると 黒い粒粒は種です。小さな柿の種みたい。 あけびの一種でムカという名だそうです。種のまわりは食…

丁夫人の嘆き(曹操の後庭) 雑記番外編一

丁夫人の嘆き(曹操の後庭) 雑記番外編一 www.com.tudou は、土豆岡のくにがまえのなかがメメになったサイトです。 このサイトのテレビ放送「千秋史話」がとても面白い。 中国語でしゃべっているので説明はわからないが、画面に簡体字で字幕がはいりますので…

ニヤンタの歌

ニヤンタの歌 かつお節発明した人にゃ~♪ にゃ~べる賞♪~ あじつけ海苔発明した人にゃ~♪ にゃ~べる賞♪~ こたつ発明した人にゃ~♪ にゃ~べる賞♪~ にゃ~♪にゃ~♪ ボクの♡はメロメロさ 可愛いあの子もいちころさ あのにおいにメロメロさ あのあじにメロ…

丁夫人の嘆き 雑記 十五

丁夫人の嘆き 雑記 十五 曹操がはじめて義兵を起こした地と曹操の故郷 はじめて義兵を起こした土地、己吾(きご)の現在地 歴史地図でしらべると河南省商丘市睢(すい)県付近と見当がついたので、グーグルMapで検索しました。 このあたりを拡大すると 赤いマ…

丁夫人の嘆き (曹操の後庭)     三十一

丁夫人の嘆き (曹操の後庭) 三十一 秋(とき)が来た、孟徳の秋がきたのである。 君は乱世の梟雄、平穏の能吏と評された孟徳が、能吏から梟雄に羽ばたく秋(とき)がきたのである。孟徳の目は生き生きと輝き、弁舌は心を揺さぶる。 「……ああ、天下は賊で満ち満ち…

猫女にタケノコもらわなくてよかった!

猫女にケノコもらわなくてよかった! 去年の、とても冷え込みがきつかった十二月中旬のこと。 わが家の横で猫が鳴いていた。ただならぬ鳴き声。出てみると猫女の子猫だ。傍には吐しゃ物がそちこちに。具合が悪いらしい。お掃除してクレゾール液で消毒した。…

袴が好き

袴が好き 剣道の練習からもどってきた息子が袴を畳みだすと 必ずニヤンタが目を丸くしてススーッと寄ってきて、袴の上でコロンコロンとねっ転がる。 息子 「こらーっ。畳めないないじゃねぇか」 ニャンタ「ニャ~ン」(いい気もち) 息子 「おまえ、なにしても…

ニヤンタ、 十月のトラウマ

ニヤンタ、 十月のトラウマ 猫も犬もデリケートだ。ストレスで脱毛した犬のことや、ストレスで自家中毒を起こした猫の話も聞いた。 わが家のニヤンタは空腹でも餌をがっつくのでもなく、じっと根気強く(しゅうねんぶかいのかなあ)餌入れの器の前で待ち続ける…

丁夫人の嘆き(曹操の後庭)  三十

丁夫人の嘆き(曹操の後庭) 三十 県城近くの大通りにさしかかると好奇心にみちた目が私たちに集まったが、孟徳はうなだれてはいない。背筋を伸ばしてきっと前方を見据えていた。 「子脩、胸をはれ。悪いのは腐った政だ」 孟徳の厳しい口調に子脩は姿勢を正し…

丁夫人の嘆き(曹操の後庭)  二十九

丁夫人の嘆き(曹操の後庭) 二十九 風が寒い。暗雲は空低くたれこめ今にも白いものが舞いそうだった。風が吹くままに転がり道をいそぐ枯れ蓬(よもぎ)にわが身を重ねた。あてどもなく転がり続ける蓬 に涙があふれそうになる。いいえ、私たちは決して蓬ではな…

丁夫人の嘆き(曹操の後庭) 雑記 十四

丁夫人の嘆き(曹操の後庭) 雑記 十四 凛々しい曹操の像と心配な曹操の像 河北省邯鄲市のたしか三台村?の銅雀台跡に立つ曹操像 どしっとした重厚感、はね上げた眉。天下を睥睨する気迫がみなぎった像である。 銅雀台は雲の上にそびえる高楼でその楼閣の頂…

丁夫人の嘆き(曹操の後庭)  雑記  十三

丁夫人の嘆き 雑記 十三 曹操の容貌 曹操はどのような容貌をしていたの不明だ。 世説新語によれば痩せていて貧相な小男だったとか。 呂布が曹操と対面したとき 「やせましたなぁ。以前はもっとふっくらとしておいでだったが」 と、驚いている。洛陽にいたこ…

丁夫人の嘆き(曹操の後庭) 二十八

丁夫人の嘆き(曹操の後庭) 二十八 上の写真は河南省許昌市の丞相府の曹操像(グーグルmapより) 羊腸とはこのこと、幾重にも曲がりくねった長い坂道が天に交わるところに、成皋(せいこう)の県城がそびえていた。 「子脩よ、前にもこの城を通ったことがあ…

丁夫人の嘆き  雑記 十二

丁夫人の嘆き 雑記 十二 再び虎牢関(成皋関 せいこうかん)について 大伾山(たいひさん)上にあった虎牢関は漢代に関所が廃止されて、成皋県の県城となりました。 山上の要塞を兼ねた城のイメージとはどんなものかと思案しながらグーグルマップを捜してみたら …

丁夫人の嘆き 雑記 十一

丁夫人の嘆き 雑記 十一 城塞 うえの写真は山上に設けられた塞(とりで)の写真です。 塞が不要になり廃墟と化したもので、この石積みの塀が風よけになるのでそれを利用して農民が家を建ててすみついている。四角い塔は炮楼(ほうろう)とあります。 炮楼は砲台…

猫女はどこにでもいるのね

猫女はどこにでもいるのね Tさんのご近所は増えすぎた野良猫に悩まされている。 野良猫のいるところ、必ず餌をやる人間が出没する。 無類の猫好き、お腹をすかした猫が哀れだとか理由はいろいろあるだろうが、猫を思うあまりに人間への配慮が欠けてしまうら…

丁夫人の嘆き 雑記  十

丁夫人の嘆き 雑記 十 函谷関 右の写真は 河南省洛陽市新安県にある 函谷関の関城の遺跡である。 関城には役所があり、 軍隊が常駐していた。 右上の写真は東側より西側を望んだ写真。 右下は西側から東を、つまり内側から外側を見た写真 城壁の厚さが通路の…

丁夫人の嘆き(曹操の後庭)  二十七

丁夫人の嘆き(曹操の後庭) 二十七 またもや駅馬の鐸(おおすず)の音が響く。駅馬をやりすごした孟徳が鼻先でせせら笑った。 「へん。面白くなってきやがったぜ。袁公路(術)め、親父の不名誉を挽回するつもりで逃亡しおったが、見ておれよ、公路と本初(紹)が…

丁夫人の嘆き(曹操の後庭) 二十六

丁夫人の嘆き(曹操の後庭) 二十六 人生のような長い登り坂だった。 霊帝が黄巾の賊から都を守るために設けた旋門関へとつづく長い長い坂道を私たちはたどった。都にのぼるときはこの坂を胸を躍らせながらくだったものを、都落ちを余儀なくされた今、この身…