2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

丁夫人の嘆き(曹操の後庭)雑記 十九

丁夫人の嘆き(曹操の後庭)雑記十九 遊牧騎馬民族の原風景 匈奴(きょうど)、鮮卑(せんぴ)、鉄勒(てつろく)などの遊牧騎馬民族が闊歩した土地を見て見たい。黄河が北河と南河に別れてまた合流するあたりはオルドス地方と呼ばれ、牛馬、羊が群れをなす…

丁夫人の嘆き(曹操の後庭)雑記 十八

丁夫人の嘆き(曹操の後庭)雑記 十八 滎陽(けいよう)の戦いの曹操軍の兵員について 漢の献帝の初平元(190)年春、曹操軍は滎陽で、董卓の武将である徐栄に惨敗した。 徐栄は曹操を追撃しなかった。 「酸棗までは遠い」と、引き返したのである。 曹操軍…

丁夫人の嘆き(曹操の後庭) 五十八

丁夫人の嘆き(曹操の後庭) 五十八 「ちと痛むが堪(こら)えてくだされ」 懐から取り出した布を曹洪は孟徳に渡すと、孟徳の太股に刺さった矢に手をかけた。 「痛む? わしを見くびるな」 「そうこなくちゃいけねぇ。沛国譙(はいこくしょう)の男は丈夫(ますらお…

ニヤンタのおなら?

ニヤンタのおなら? ニヤンタと暮らすようになってあと数ヶ月もすれば六年になる。 この六年近い年月の間、「??? うん、もしかしてこれはニヤンタのおなら?」と思うことがしばしばあった。時には音なんかなくて、なんだか臭う。で、くんくんと臭いを嗅ぐ…

丁夫人の嘆き(曹操の後庭) 五十七

丁夫人の嘆き(曹操の後庭) 五十七 「閣下」 思いつめた顔で年若い司馬が衞玆(えいし)を見上げた。 「なんじゃ」 「すでに曹将軍の軍が崩れたにもかかわらず、あの大軍を相手に閣下は善戦なされた。かれの軍は多くわが軍は少なし。兵家は敵中深く進む孤軍…