2009-01-01から1年間の記事一覧

ペットボトル一本分の思いやり

今回は猫ちゃんではなく、犬です。 ここに引っ越してくるまで犬って大好きな動物だった。 でも、今は犬は好きになれない。 犬のせいではない。飼い主のマナーのせいなのだけれど。 通りに面しているせいか、犬の落し物になやまされる。 右隣はまあ、公民館の…

悲しすぎるわ 人材を見抜けないなんて

息子がニャンタを保護した思い出の元勤務先。 そこで息子は、睡眠時間四時間という毎日が続いた。 ほとんどが、上司がしでかした失敗の後始末に時間を取られ、サービス残業の毎日だった。肝心の上司は十時ごろにちゃっかりと帰っていく。 日ごとにやつれてい…

猫守家のこたつと星の王子様ごっこ

こたつはいい。 ぬくぬくと暖かくて、そこだけ春の日だまりのよう。 寒さで妙に闘争的になっていた心が、ふわーっとなごみだす。 ニャンタもこたつが大好き。 毎年、十一月の終わりごろにこたつを屋根裏からこたつをおろしてくる。 もう、それだけでニャンタ…

アメリカ人的な犬と日本的な猫の感情表現 ニャンタの場合

犬は飼い主を見るとちぎれんばかりに尻尾をふって飛びついてくる。 体のすみからすみまで飼い主を熱烈歓迎している様は、一目瞭然だ。 飼い主を護って死んだ犬の話は数知れない。犬と飼い主の絆は深くて強固だ。 犬に比べると猫は薄情な動物だと言われている…

劉備狂乱  かくも深き劉備の嘆き

劉備狂乱 ちと、刺激的かつ扇情的な題名になってしまった。 が、しかし、髀肉がついた太ももをみて嘆いた、あの劉備の髀肉の嘆(ひにくのたん)を深読みするかぎり、決して大袈裟でも羊頭狗肉じみた題名でもない。 髀肉の嘆という熟語に出合ったのは中学三年生…

掃除機ねこが掃除機を怖がるようになった

掃除機が動かなくなった。 感慨無量である。 この掃除機は亡き両親が買ってくれたもので、三十年ものあいだよく働いてくれた。 とても簡単な構造で、紙パックもいらない。ゴミがたまるとぽいと捨て、あとは丁寧にほこりをとってやるだけでよかった。文句一つ…

夢ネコの夢

ニヤンタを上から写すと徳利だ 本当はもっとスリム。でも餌を食べるときは徳利ネコになる。 ニヤンタの体、伸びたりちぢんだりする。 「ネコ見せて」 知り合いに言われて、息子はニヤンタを抱いて外にでる。 「ヒャアー、デカイーッ」 「おまえんちのネコ、…

ウイグルの求愛の歌よ、永久に響け! 前篇

とても恥ずかしい旅行をしたことがある。 シルクロードという、とてつもない夢の道をたどる旅の広告に惹かれてしまったのだ。 旅行社の窓口で。 金物職人の町、カシュガルまで行きますよ。 おお、すばらしい。新疆省の西のはしだ。 わたし、ツアーに参加しま…

ベッドはかつお節のにおい

久しぶりに猫守のベッドで寝た。 それまで、本を読みながら、リビングで寝入ってしまう毎日だった。おかげで背中が痛い。 フトンに入るとかつお節のにおいがする。 「ああ、いいおダシ。うどんでも……」 なんて、のんきに食べ物を連想している場合ではない。 …

名月をきみの懐に入れん

北魏最後の皇帝になった孝武帝(元脩。げんしゅう)は、魏書では「出帝」と不名誉な呼ばれ方をしている。国を捨てて出ていったからである。 『魏書』は三国魏の「魏書」と区別するために「北魏書」とも呼ばれるが、この書が編纂されたのは東魏から譲りを受けた…

続 悲恋のDNA 麦積山石窟  後篇

京兆王元愉は死に、愛妾李氏(元の姓は楊氏)は刑死した。 その四人の遺児は、罪は免れたものの宗正寺(帝室の取り締まりや戸籍をつかさどる役所)に幽閉された。 幽閉六年あまりで宣武帝が崩御し、後ろ盾を失った高肇が殺された。高肇が殺されてはじめて両親の…

悲恋のDNA  麦積山石窟   前篇

人はさまざまな形で両親の遺伝子を受け継ぐ。 姿形はもちろん、物の考え方、好みまで似る。思考回路や好みは「家という一種の運命共同体」によって獲得された、後天的なものとも考えられる。 しかし、古人の生涯を追っていると、『悲運や悲恋の遺伝子が存在…

ネコの「お礼参り」

ネコは執念深い。 昔から言われていることです。 仕返しなんかします。 昔、ネコが「お礼参り」にきて、びっくりして猫守は飼い主さんに謝ったことがあります。 子供たちが中学生くらいのときのことです。 そんなこと、全然知らなかったのですが、入口をあけ…

美しい高句麗の娘

寫眞は北魏文昭皇后の陵(洛陽 グーグルより) 北魏、献文帝の治世の頃である。 柳城鎮(遼寧省朝陽市)の近くに、とてつもない美少女があらわれた。 高句麗からの亡命者、高颺(こうよう。ヨウは環境依存文字。風の右に易をつけた字)の娘である。 身分あるもの…

ニヤンタがいない!

写真一。はやしたてると澄まして現れる。 写真二。子猫のころの純真なニヤンタ。この頃は飼い主を神様のように思っていた。息子の教育が災いして、このごろはよく、猫守をからかう。 毎日毎日、窓ぎわで外を眺めていた。 とくに野良猫たちの勝手きままな振る…

戦うネコと軟弱男子

「△○△○!」 うん? 息子がなにか叫んでいる。 台所だ、猫守は。大食いの息子のために夕飯のしたく。 牛肉を三日に一度は食べさせないと「あのニャンコは稼ぎが悪いから、まずい餌でも食わせろと思ってるんだ」と嫌味をいう。 すらすらと嫌味が口をついて出る…

続々 きみは五丈原に逝けり 死せる孔明、生ける仲達を走らせる 後篇

諸葛亮は渭水をわたり、是が非でも五丈原の北原に布陣しなければならなかった。 鮮卑族が、并州(山西省)の鮮卑族が反乱をおこして并州を南下してくるはずだった。 うまくいけば、鮮卑の騎馬軍団は七日、いや、遅くとも十日前後で黄河のほとりまでやってくる…

続 きみは五丈原に逝けり 死せる孔明、生ける仲達を走らせる 中篇

蜀の前主(昭烈帝劉備)が死んでから、 諸葛亮は心に穴があいたように虚しくてたまらない。 「禅が不肖の子なら、そちがこの国をとれ」 劉備の言葉が耳を離れない。 「あの方とわしは年こそ違え、主従を超えた交わりで結ばれていた」 涙とともに、思い出が蘇る…

きみは五丈原に逝けり  死せる孔明、生ける仲達を走らせる 前篇

三国分立の形勢は崩れそうになかった。 蜀では昭烈帝劉備が章武三年(223)四月に六十三歳で亡くなり、後主劉禅の治世である。 禅はよい子だが、坊ちゃん以外の何者でもない。重荷を背負うにはあまりにも頼りない。 諸葛孔明が蜀を支えていた。孔明の孤独は…

さよならを言いたかったの?  続 猫の幽霊

写真は遊んでと誘うニヤンタ またまた、Yさんの登場です。 孫のように可愛がっていたミーコに死なれたYさんは、子供たちに 「『出来ちゃった婚』でええから、はやく孫の顔を拝ませてくれ」 と難題をふっかけていました。しかし、子供たちは知らんぷり。そ…

,猫の幽霊

のどかなニヤンタ Yさんがまだ猫アレルギーじゃなかった時のことだ。 わが子を守って死んでしまった野良猫をほめたたえ、四匹の子猫を大事に育てた。 三匹は雄で一郎、二郎、三郎と名付けられ、雌の子猫はミーコと名付けた。 少し大きくなると一郎と二郎は…

さらば 麗しき故郷よ

張彪(ちょうひょう)という男がいた。 襄陽の出身だと自称していたが、真偽のほどはわからない。 「おふくろは蘭氏で、刺史(州の長官)になった蘭欣(らんきん)の従兄弟だ」と自慢していたが、これもほら話かもしれない。 侯景が梁の都、建康を乗っ取った頃から…

気を飲みて死す

侯景という男がいた。 この男は北魏の懐朔鎮(かいさくちん。治所は内モンゴル包頭西北)の住人で、無名の高歓(こうかん。北魏末の権臣で、考武帝を追い詰め、北魏を東西に分裂させた張本人)と無二の親友である。 侯景は若いころに落馬したせいで、片足が…

天の利 地の利  『おお、赤壁よ』

天の利とは天の時ともいわれる。 地の利とは文字通り、山や谷、川などの地勢の優劣をいう。おもに兵法者が好んで使う。地の利もまた「地の時」と言いかえられたりする。 天の利、地の利をおさえる者は勝利する。 天の利は、天が与え給うた好機をさす。チャン…

続 ニャンとも迷惑なネコ女

野良猫を保護して里親を探されている人々の活動には本当に頭がさがります。 でもね……でも……。 増えすぎた野良猫に苦しめられている人々もたくさんいるのです。行政に通報する人を、冷酷な人と決めつけることはできません。 世の中には、どうも猫は好きになれ…

ニャンとも迷惑なネコ女

野良猫の保護をしてらっしゃる方々のブログを拝見して、複雑な思いがしてなりません。 こんなこと言ったら、怒るだろうか? 野良猫はつらかろう。出来ることなら幸せになってほしい。それに個性的な猫はノラに多いのも事実である。 でも、ここに引っ越してき…

狼心の人 司馬懿(しばい)

司馬懿(字は仲達)は狼顧の相(ろうこのそう)の持ち主だと伝えられる。 狼顧の相の持ち主は狼心(ろうしん)を持つ、人相学ではそう言われていた。 ちなみに「漢書」を書いた班固(はんこ)の弟、班超は若いころ、人相見に見てもらった。 人相見は「君は燕の頤(お…

わが子を守った猫

写真機〔欧襯縫筌鵐拭/音僂一番可愛い。おとなしいからね 写真供’守の夢に出てくる四匹のポルターガイスト猫に似た野良猫。猫守がカメラを向けると笑った気がしたけど、拡大して見ると、目が哀しい。 道路に面した、町工場が立ち並ぶ一角は、ごくごくありふ…

その男、狼顧の相あり   司馬仲達

司馬懿(い。字は仲達)は、『晋書(しんじょ)』を読むかぎり、非凡な男ではあるが冷酷である。 計算高い。 「はぁ、珍しいものをみた」 都の役所で役人たちが暇つぶしに雑談に興じていたときのこと。 ある男が感に堪えぬ面持ちで言を発したのだ。 「なんじゃ、…

うれしい 道尾秀介「鬼の足音」直木賞候補に!

鬼の足音」の「足」の字は環境依存文字で「恐」の字の心を足に変えた文字。 上の写真は図書館近くの狸小路 はじめは二匹の石の狸もスッポンポンだったのです。ご利益があるんでしょうか、みなに撫ぜられて腹のあたりがぴかぴか。いつのまにかホッカムリ、赤…