2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

妖(もののけ)の涙――小説玉璽物語三十

妖(もののけ)の涙――小説玉璽物語三十 茜色が去ると寝起きのような一番星が姿を現した。 劉虞の密偵たちは糒(ほしい)で腹ごしらえが終わったらしい。あわただしく身支度をととのえると歩き出した。私はこの密偵の後を追った。追ったというより幽州への道…