2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

続々 きみは五丈原に逝けり 死せる孔明、生ける仲達を走らせる 後篇

諸葛亮は渭水をわたり、是が非でも五丈原の北原に布陣しなければならなかった。 鮮卑族が、并州(山西省)の鮮卑族が反乱をおこして并州を南下してくるはずだった。 うまくいけば、鮮卑の騎馬軍団は七日、いや、遅くとも十日前後で黄河のほとりまでやってくる…

続 きみは五丈原に逝けり 死せる孔明、生ける仲達を走らせる 中篇

蜀の前主(昭烈帝劉備)が死んでから、 諸葛亮は心に穴があいたように虚しくてたまらない。 「禅が不肖の子なら、そちがこの国をとれ」 劉備の言葉が耳を離れない。 「あの方とわしは年こそ違え、主従を超えた交わりで結ばれていた」 涙とともに、思い出が蘇る…

きみは五丈原に逝けり  死せる孔明、生ける仲達を走らせる 前篇

三国分立の形勢は崩れそうになかった。 蜀では昭烈帝劉備が章武三年(223)四月に六十三歳で亡くなり、後主劉禅の治世である。 禅はよい子だが、坊ちゃん以外の何者でもない。重荷を背負うにはあまりにも頼りない。 諸葛孔明が蜀を支えていた。孔明の孤独は…

さよならを言いたかったの?  続 猫の幽霊

写真は遊んでと誘うニヤンタ またまた、Yさんの登場です。 孫のように可愛がっていたミーコに死なれたYさんは、子供たちに 「『出来ちゃった婚』でええから、はやく孫の顔を拝ませてくれ」 と難題をふっかけていました。しかし、子供たちは知らんぷり。そ…

,猫の幽霊

のどかなニヤンタ Yさんがまだ猫アレルギーじゃなかった時のことだ。 わが子を守って死んでしまった野良猫をほめたたえ、四匹の子猫を大事に育てた。 三匹は雄で一郎、二郎、三郎と名付けられ、雌の子猫はミーコと名付けた。 少し大きくなると一郎と二郎は…

さらば 麗しき故郷よ

張彪(ちょうひょう)という男がいた。 襄陽の出身だと自称していたが、真偽のほどはわからない。 「おふくろは蘭氏で、刺史(州の長官)になった蘭欣(らんきん)の従兄弟だ」と自慢していたが、これもほら話かもしれない。 侯景が梁の都、建康を乗っ取った頃から…

気を飲みて死す

侯景という男がいた。 この男は北魏の懐朔鎮(かいさくちん。治所は内モンゴル包頭西北)の住人で、無名の高歓(こうかん。北魏末の権臣で、考武帝を追い詰め、北魏を東西に分裂させた張本人)と無二の親友である。 侯景は若いころに落馬したせいで、片足が…

天の利 地の利  『おお、赤壁よ』

天の利とは天の時ともいわれる。 地の利とは文字通り、山や谷、川などの地勢の優劣をいう。おもに兵法者が好んで使う。地の利もまた「地の時」と言いかえられたりする。 天の利、地の利をおさえる者は勝利する。 天の利は、天が与え給うた好機をさす。チャン…

続 ニャンとも迷惑なネコ女

野良猫を保護して里親を探されている人々の活動には本当に頭がさがります。 でもね……でも……。 増えすぎた野良猫に苦しめられている人々もたくさんいるのです。行政に通報する人を、冷酷な人と決めつけることはできません。 世の中には、どうも猫は好きになれ…

ニャンとも迷惑なネコ女

野良猫の保護をしてらっしゃる方々のブログを拝見して、複雑な思いがしてなりません。 こんなこと言ったら、怒るだろうか? 野良猫はつらかろう。出来ることなら幸せになってほしい。それに個性的な猫はノラに多いのも事実である。 でも、ここに引っ越してき…

狼心の人 司馬懿(しばい)

司馬懿(字は仲達)は狼顧の相(ろうこのそう)の持ち主だと伝えられる。 狼顧の相の持ち主は狼心(ろうしん)を持つ、人相学ではそう言われていた。 ちなみに「漢書」を書いた班固(はんこ)の弟、班超は若いころ、人相見に見てもらった。 人相見は「君は燕の頤(お…

わが子を守った猫

写真機〔欧襯縫筌鵐拭/音僂一番可愛い。おとなしいからね 写真供’守の夢に出てくる四匹のポルターガイスト猫に似た野良猫。猫守がカメラを向けると笑った気がしたけど、拡大して見ると、目が哀しい。 道路に面した、町工場が立ち並ぶ一角は、ごくごくありふ…

その男、狼顧の相あり   司馬仲達

司馬懿(い。字は仲達)は、『晋書(しんじょ)』を読むかぎり、非凡な男ではあるが冷酷である。 計算高い。 「はぁ、珍しいものをみた」 都の役所で役人たちが暇つぶしに雑談に興じていたときのこと。 ある男が感に堪えぬ面持ちで言を発したのだ。 「なんじゃ、…

うれしい 道尾秀介「鬼の足音」直木賞候補に!

鬼の足音」の「足」の字は環境依存文字で「恐」の字の心を足に変えた文字。 上の写真は図書館近くの狸小路 はじめは二匹の石の狸もスッポンポンだったのです。ご利益があるんでしょうか、みなに撫ぜられて腹のあたりがぴかぴか。いつのまにかホッカムリ、赤…