猫、猫を拾う

猫が猫を拾ってきたのです。
 
写真の茶色の縞の猫はプリンちゃん。雄猫です。
九年前、
泉北ニュータウンでIさんの息子さんに拾われました。
 
今年の一月、お散歩にでかけたプリンちゃんが黒い子猫を連れてかえってきました。
 
プリンちゃんは9歳になったいまでも、捨てられた時の辛さや心細さ、悲しさをしっかりと覚えていたのでしよう。
 
「ニャオ、ニャオ」
 
「ちびちゃん、泣くなよ」
 
「お母さーん。お母さーん。はやく来て。ぼく、寂しいよ、心細いよ。寒いよ」
 
「ちびちゃん。ぼくたち猫はお母さんから離れて暮らさなきゃならないのだ。運命なのだ」
 
「離れて暮らすなんて、いやだ。いやだ。ぼく、こんなに小さいのに」
 
「だだをこねるんじゃない。男だろ。男は泣かないものさ。お母さんにはもう会えないよ。さ、おいで。こんなところにいると凍えて死んじゃうぞ。さ、ついて来い」
 
たぶん、にゃんこ言葉でこのようなやりとりがあったのでしょうか。
 
黒い子猫はプリンに連れられてIさん家にやって来ました。
 
耳が大きかったのでミミちゃんと名付けられ、美猫に育ちました。
 
でも、カメラを向けると威嚇するのです。
 
プリンちゃんもミミちゃんもシャー。
 
ミミちゃんを写したら、とっても怖い顔だったので、正面からの写真は載せないことにしました。
 
本当は、「魔女の宅急便」のキキみたいに可愛いのに。
 
猫の顔がこんなにも豹変するとは思わなかった。
 
今年の一月の冷たい雨が降った夜、猫守はそこから八百メートルほど離れた歩道で、死んでいる黒い子猫をみた。せいぜい二ヶ月くらい。
ミミちゃんの兄弟かしらねぇ。
猫を捨ててはいけないわ。
 
猫だって人間のように、豊かな感情をもった動物なのです。
雄猫の母性愛、うーん、この場合は父性愛かしら。雄猫は子育てしないっていうげど、ときどきそんな例にぶつかる。猫だって、たまんないのでしょうね、それで、猫が猫を拾うらしい。
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