ワクチンの日だ　どうする？　ニヤンタ

　わが家にやってきて以来、有難いことに病気らしい病気一つせず勝手気ままに過ごしているニヤンタです。シャンプーと爪切りが苦手。

　あら、変な歩き方している。爪切りしましょ。

だっこしてニヤンタの手のひらをさする。うわっ、伸びてる。これじゃ歩きにくいでしょ。

　ニヤ～ッ。ニヤ～ッ。

　なんとも哀れな鳴き声。

　だめ。猫が爪を切らないでどうするの。

　観念したように鳴き声がやむ。

　爪切りが終わるとぱっと逃げて行く。いまさら逃げたって遅いわ。

　恐怖のワクチン接種のお知らせ葉書が届いたぞ。

　どうする？　ニヤンタ。四種混合だよ。ニヤンタの本名は短いの。でもね、猫女はパソコンなんかしないけど、本名がしれたらヤバい。それで、源氏名です。脱走したとき猫女に箒で叩かれたものね。

　家猫なのでワクチンを接種しなくてもいいのですが、万一の脱走に備えて毎年、ワクチンを接種してもらっています。前に脱走した時は、猫女の野良猫に囲まれて背中を噛まれ、心配したものです。ほんの少し血がこびりついていた程度の軽傷でしたが、ワクチンしてあるので大丈夫。ワクチンは絶対的な効き目をもつものではないとのことですが、余計な心配しなくてすむので、助かります。

　ところでニヤンタ、動物病院のドアをみるなり私の腕の中でもがいて逃げようとします。こんなところで脱走したら、このお馬鹿な猫はきっと車にはねられる。必死でニヤンタを押さえこみドアの中へ。

　すると今度は私にしがみついて離れない。やっとの思いで診療台にのせると丸まって尻尾をぷわーっと膨らませる。

　毎年、空しい抵抗を繰り返すのです。さて、今年はどのような反応を示すでしようか。