削っても削っても現れる

             削っても削っても現れる
 
 
 パソコンを泣く泣く初期化して、長時間かけて様々なソフトをインストールした。
 you tubeを見るためにSafariを使っていたのでSafariをダウンロードしたのである。づらづらと英文が並んでいてなかなかダウンロード画面に変わらないので、いらいらしてしまった。
 ああ、このいらいらがいけなかった。短気は損気という。その下に英文表記でやはりダウンロードのボタンがあった。あ、これこれよ。ここをクリックしなけりゃ。だからダウンロードできなかったのだ。
 で、クリックしましたよ。あらら、なんだか様子が変だ。
 パソコンにダメージを与えるレジストリーエラーの数が六十九個も表示され、有償版のセキュリティソフトの購入を促す。
 ?????
 胸どき! お目々ぱちくり。落ち着いて、落ち着いてと自分に言い聞かせる。だって、初期化してソフトをインストールしたばかりだ。セキュリティーソフトも有効だ。ダメージを受けるような操作などしていない。そんなわけない、ない。あわてて画面を閉じた。
 それからが大変だ。
 Advanced System ProtectorSystweak Reg Clean Proのアイコンが自動で作成されいて、ログインするたびに自動的にプログラムが作動し、パソコンにダメージを与えるという夥しい数のレジストリーエラーが表示される。パソコンの側を離れて戻ってくるたびにログインしなければならないが、そのたびに上記の二つのプログラムが作動する。もう、やりきれません。削っても削ってもまるで金太郎飴のようにあの鬱陶しいアイコンがタスクバーに現れる。
 ネットで検索したらありました、インド発のゴミソフトだそうで、なんでもないものをレジストリーエラーだと称して不安を煽り立てて、有償版の購入を促すそうだ。あまりにも鬱陶しいので購入すると、次からは自動的に継続させられてしまい、解約しようにもなにしろ海外のこととて、言葉の壁も手伝ってスムースにいかないそうだ。しかも上記の二つは同じ会社のものらしい。マイクロソフト・パートナーなんて紛らわしい表示をしているがマイクロソフト社とは無関係だとか。
 
 削除の仕方も書いてあったが、その通りにしても消えない。敵もさるもの日々進化しているらしい。私のパソコンはVistaなのでコントロールパネルを開いて、「スタートアップのプログラムの変更を開いてみた。
 なんとまあ、そこに上記二つのプログラムが入り込んでいて、ログイン時に起動となっており、作成者の名前に私の名が自動的に書き込まれていた。だから、うまくセキュリティソフトの網の目をかいくぐることができたのだ。
 ここで削除してようやく、削っても削っても現れる金太郎飴のようなインド発のゴミソフトと決別することができたのだ。ああ、あの一週間は辛かったです。
 みなさん、私のように大胆にむやみやたらとダウンロードしないでね。