2015-11-30から1日間の記事一覧

妖(もののけ)の涙――小説玉璽物語 六

妖(もののけ)の涙――小説玉璽物語 六 悪人が必要なときもあるのか――。玉座の精の言葉に心がざわついた。端正な顔とは裏腹の、小汚い行いをさらりと言ってのける。やはり妖物だ。妖物が本性を現した。彼が品のない音をたてて人を食らう様子を思い浮かべ、私は…