妖(もののけ)の涙――小説玉璽物語 九 「冀州牧の韓馥(かんふく)という男、ずいぶんと袁紹を嫉妬しているそうね」 杏姐さんが口をすぼめて品良く笑った。笑いながら身をよじったので杏の梢が揺れ、物思いに耽っていた私は枝から転げ落ちそうになった。人の姿を…
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