2016-03-21から1日間の記事一覧

妖(もののけ)の涙――小説 玉璽物語十二

妖(もののけ)の涙――小説玉璽物語 十二 杏姐さんは袖で口もとを覆って欠伸をひとつした。ああ、もうすぐ眠りにつくのだ。 「お休みの歌を聞かせてくれる黒衣郎はどこにいるの?」 私はきょろきょろあたりをみまわした。黒衣郎はどこへ行ったのだろう。次の春…