脱走にかんするニヤンタなりの知恵

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写真は夜のベランダで遊ぶニヤンタ

今年の一月十一日いらい、まだ一度もニヤンタは脱走していない。

そろそろ、脱走して夜の街を奔走させてくれる頃かな

なんて内心、警戒を怠っていなかったが、その素振りも感じられない。


カーテン越しにニヤンタの影。

窓辺に座っておとなしく外を見てらしい。日ごとに光が明るくなってきたものね。

突然、窓から壊れたカスタネットのような音が響く。

ニヤンタ、どうしたの?

音源はニヤンタだ、牙をむき出して奇怪な音をだしていた。

ほっと窓の外を見ると、エアコンの室外機の上に黒猫がちょこんと乗っていて、窓わくに前足をかけていた。

こらっ。

ぱっと黒猫は逃げて行った。逃げて行った先が、猫守たちの家が建ち並ぶ一角で、どの家も犬は飼ってい

ても、猫は飼っていない。

黒猫が逃げてしまうと、ニヤンタのカタカタもしくはケッケッケッケとも聞こえる奇声はやんだ。

前回の脱走のとき、家の横でニヤンタは四匹の野良猫に囲まれて伏せの姿勢を取っていたそうだ。

息子がニヤンタを抱き上げ、野良猫どもを睨みつけるとならず者どもは一斉に走って逃げた。

すると縮こまっていたニヤンタがはじめて体をふくらませ、フッフッと威嚇したそうな。



そういば、猫女が無責任飼いしている猫どもが、これ、野良猫でしょうかね、野良猫って呼んでいるけど。

その猫どもが、少なくとも数十匹が闊歩しているのだ。

この間は、向かいの家から(犬を飼ってたけど、死んでしまった。可愛らしい犬なのに)

地球の異変によって巨大化したお化け芋虫みたいなのが、向かいの家の門扉からぼたっと道に墜ちてきた。

よっくよく見れば、ペルシャの雑種。それが四匹もぼたっ、ぼたっ。

びっくりするほど肥満していたから、孕み猫かもしれない。ぞぞっ。

そんなわけで、ニヤンタは考えたらしい。

猫守が留守のときは絶対に脱走しちゃいけない。

お家に戻ってきてもいつ、襲われるかもしれないから。

猫なりにいろいろと教訓を得て、進化していくのだ。