ニヤンタの恩返し

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   ニヤンタの恩返し
 
ほら、ジャンボ宝くじの季節がくると必ず、ご利益がある○○神社とか福を呼ぶ売り場のオネエサンの名前、猫の足跡とかが週刊誌やテレビで話題になるじゃない。
 猫守は毎年毎年、税金のように奉納するジャンボのお代金に嫌気がさして、このごろは買わない。
 
 猫が拾われた御恩に飼い主様に幸運をもたらす「ここ掘れワンワン」的な話はまま、聞く。
 ニヤンタだって恩返しをしてくれた事がある。
 ニヤンタがわが家にきた頃、衰弱しきっていて歩けなかった。二歩歩いてはパタンと倒れてしまい、目もよく見えなかったらしい、しっかりつぶった目を猫守に向け、「ボク、ふらふら、歩けない」と身振りで示す。子猫なりに知恵を振り絞って訴えたらしい。
 で、動物病院へ。
 猫流行性感冒寄生虫、貧血による極度の衰弱で今日、明日をも知れぬ身と告げられた。
 次回は一週間後に来院、なにかあったらすぐに来てくださいとのこと。
うわーっ、死なれたら困る、だれが屍を始末するんだ、うわーっ。
死んだらあかんで、死ぬな、死ぬな。
猫の口をこじあけて薬を飲ませた。栄養剤を飲ませた。電気カーペットの上に寝かせた。頃合いを見計らって水や餌をやった。
ニャンタは生きた。生きていた。
日ごとに力強く起き上がるようになった。
それから一週間ごとに動物病院へ通った。ノミ、ダニ駆除、虫下し。
ワクチンと結構、物入り。動物は健康保険ないものね。
そんなある日、一本の電話。
もしもし○○リサーチですが、視聴率モニターしてみませんか?
はいはいはい。
 引き受けましたぞ、かの有名なモニター。
 その謝礼は商品券と図書券なの。
ばんばん本買って、友達とあこがれのホテルのバイキングを堪能し(おごってあげたのよ)、欲しいものぱぱっと買った。それでもまだ余ったので、娘にもいい顔してあげちゃった。
しめて、ニヤンタの病院代ととんとん。
あれは、ニヤンタのおっかさんからのお礼かしら?
それとも猫の神様からのお礼かしら?
 
ニヤンタの恩返しだと子供たちは言うけど。