一方的に♡な猫とタナゴ
一方的に♡な猫とタナゴ
冬の間、水槽のなかは眠ったように静まり返っていた。
ガラスは褐色の水苔のようなものでおおわれ、なかの様子はうかがえなかった。
タナゴも川エビも死んでしまったらしい。
ニヤンタはニヤーニャー鳴いて、私を水槽の前に誘導すると水槽の前に座り込んでじっと水槽を見つめる。
「いないだろ?」
そんな顔をして私を見上げ、情けなそうにニャーとないた。
ある日、水槽の水苔が少しづつはがれ出した。???
「なぜ?」
ほぼ完全にガラスがクリアに透けてみえる。よくよく見ればタナゴが二匹と川エビが一匹、水苔を食べていた。
慌てて餌をやる。
「わたしたち元気よ」
そんな挨拶ように、ひらひらうれしそうに泳いでくれる。
ニャンタのお目目は♡♡♡。
♡♡。
♡♡がこうじてガラスに猫パンチだ。
危険すぎる愛の物語でした。