猫のアルちゃん、ノラ猫にかまれた

          猫のアルちゃん、ノラ猫にかまれた
 
 
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 こんなちっちゃ猫だったアルちゃんは、
 小学校の通学路ぞいにある公園で兄弟猫と一緒に捨てられて鳴いていた。
小学生の女の子たち三人は、保護しようとしたら三匹の子猫は一目散に逃げちゃった。どじなアル君だけが逃げ遅れて、保護された。女の子たちは道行く人に「子猫いりませんか?」と、声をかけたが、「うちはちよっとねぇ」とことわられちゃった。おうちのひとには「だめだめ」なんて言われちゃったので、セールスマンよろしく一軒、また一軒と呼び鈴を鳴らして「おばちゃんのおうち、猫飼いませんか? かわいらしい子猫がいますよ」と、声をかけたけれど「いりません」。
 夕暮れ、疲れ果てた顔で子猫を抱いて帰ってきた娘をみると「捨ててきなさい」と言えなくて、知人は子猫を飼うことにした。
 とろくて逃げ遅れたために飼われるはめになったアル君は、今ではすごくやんちゃ。網戸をあけて二階のベランダからジャンプ、屋根づたいにジャンプして脱走を繰り返す。
 知人が探しに行くと「かくれんぼ」だと喜んじゃって、あっちに逃げてはバァ、こちっちに逃げてはバァってな具合に顔をだすのですって。
 そのうち脱走が日課になって、お家のまわりをぐるぐるまわって、1時間半ほどすると帰ってくるそうです。
 体も信じられないくらい大きくなって、伸びをすると1メートルはありそう、顔はちっちゃくて尖っていて、体重は七キロもある。近所の野良猫たちの間では、その大きさで「ちょっとした顔役」だったらしい。お友達も出来たらしい。
 ある日、流れ者の野良猫が来た。アル君は恐れ知らずで近寄った。その瞬間、フギャー、ギャー。噛まれっぱなし。アル君、去勢手術を受けてあるので気がやさしいから、負けた。
 知人は噛まれたなんて少しも知らなかった。アル、元気がない。食欲もない。どうしたの? だっこすると、アル君の体、こぶみたいに所々が腫れている。
動物病院に連れて行くと「猫に噛まれたでしょ。猫によってはばい菌持っているやつがいますからね」と、言われたそうだ。
 へえー。うちの猫もノラに噛まれたことがある。気をつけないと。
 皆さんの猫ちゃんも気をつけてあげてくださいね。