飼い猫に仕返しされた!

              飼い猫に仕返しされた!
 
 見てください。
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引っかかれたのではありません。咬まれたのです。
 これ、あたしの腕です。五キロも太って恥ずかしいですが、まだらに日焼けして蚊に咬まれて、四日前には飼い猫にがばっと咬まれたあたしの腕です。ひどかったのですよ、たらたら血が流れて
 みみず腫れになったところが黄色くシミになって。
 
うちのニヤンタに毎日咬まれます。夜中の二時半頃に咬んで起こすのです。起きないと何度も咬むのです。夜な夜な変な時間に起こされちゃたまんない、夏ばてするじゃない。暑いし、頭にくるわ。
 で、四日前の朝、かぷっと咬まれた時にニヤンタを叱ったのです。
「こらっ。咬んだらだめでしょ。咬んだらだめ」
 叱っても猫はしらんぷり。頭を低くして背中を丸め咬み咬みモードに入っている。目なんか悪魔みたいに光っている。
 あっと思った瞬間、かぷっ。
 毎度毎度、猫に負けていると思うな! 
「廊下へ放り出すよっ」と、ぱかっと頭を叩いてやった。
 捕まえようとすると逃げるから、追いかけると部屋の外へ。しめた!。ドアを閉めてしまった。
 ドアの外でニャア、ニャア。せ、一杯甘ったるい声を作って鳴き続ける。ふうーん、猫なで声とはよく言ったものだ。猫に邪魔されないうちに掃除機をかけた。ひひひ、ニヤンタは掃除機で体をポコポコ吸い込んでもらうのが好きなんだ。だれが遊んでやるものか。
二時間ほど経った。廊下で眠ったのか嫌に大人しい。二階に上がったのかもしれない。ドアを開けたら猫は廊下で横になっていた。ちらっと私の顔を見るが、知らんぷりしてやった。知らんぷりしたが、反省しただろうと思って部屋のドアを開けた。
すっすっすっとニヤンタが入ってきて、床に座ってくつろいでいる私の腰のあたりにニャーニャー鳴きながら体をすりつける。ああ、反省したのだ、わかってくれたのね。
 その瞬間、横から飛びかかってきたのだ。かぶっとやられた。顔全体が口だ、よくもまあここまで口を全開にできるものだ。ぱっと腕を上げたが腕と一緒に猫がくっついてくる。猫を思い切り振り払ったが、時すでに遅し、たらたら血が流れた。
 猫って執念深いというが、本当だ。二時間ばかりかけて「仕返し」を考えていたのだ。
 好きな掃除機ポコポコ抜きかよ。
 よくも僕をたたいな、僕は弱い猫じゃない。
 その挙げ句に、すりすり甘える格好をして人を騙して、智恵が働くわ。捨ててやる!
なんて思っても、そんなことできない。困ったと思いながらなるべく猫に近寄らないようにした。餌はあげたが、抱っこしたりしなかった。するとわかったのかな。咬まれない日が一週間続いている。
ああ、猫は
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こんな風に大人しく寝ている時が可愛い~っ!