アルは猫界のオネエだ

                   
            アルは猫界のオネエだ
 
 アルの飼い主家では、「アルは去勢したのでオネエ」になったと噂しています。??
 どういうことかしら? うちのニャンタも六ヶ月ぐらいで去勢手術うけたけど、オネエらしくない。
 アルはもと捨て猫、縁あって知人の家の猫になった。もともと大きくなる種類の猫だったらしく、今では十キロの貫禄。網戸は自分で開け、家々の屋根をジャンプして脱走する。
 オネエになったのは、飼い主さんに赤ちゃんが生まれてからだそうだ。家族が赤ちゃんのお守りをしているのを観ていて、赤ん坊が泣くと自分もあやしてやらないと思いこんだ。ぎゃあ、ぎゃあと赤ん坊が泣き出すと、猫ながらいかにも忙しいといった風情で赤ちゃんベッドにかけつけ、赤ちゃんの顔を心配そうにのぞき込み、ぺろぺろほっぺを舐めたりする。それが自分の役目みたいに心得ているからなお、おかしくて笑っちゃうそうだ。子供達は「アルはオネエに目覚め、子育てしている」なんて笑う。猫に聞いてみないとわからないけど、牡猫でも子猫の面倒みる場合も結構多い。みんなが赤ちゃんの面倒みるから、自分のお仕事と思っているらしい。
 アルには色々と秘密があって、でも浅はかな猫知恵だから、かくしてもばれてる。お外で遊んでいるときは、飼い主に出くわしても目を逸らしてしらんぷり。視線さえ合わなければ見つからないと思っているらしい。近所の空き家で猫の集会をしているのだ。カップル猫とアルとの三匹で、ただ集まってじっとしてるのだ。
 「ああ、今日も人間の赤ん坊のお守りで大変だったのよ。肩が凝っちゃってたまんない」
「にゃあ、にゃあ。そりゃ大変じゃ」
「えらいわぁ、アル君、見直した」
 なんて愚痴をこぼしたり、近況を報告しているのかな。
 猫たちに「オネェぶりが板に付いた」なんていわれてなければいいけど。
イメージ 1
こんな子猫だったアル君。
四歳を過ぎた今では十キロの重量、体長なんか一メートルなんだって。クリーム色が勝った成猫になりました。ケータイで写真見せてもらったのですけど、パソコンに取り込む暇がありませんでした。
 かいがいしく子守をしています。でも、オネェは酷いよね。