猫との距離もほどほどに
猫との距離もほどほどに
猫はいま、私のそばですやすや眠っている。今日はよく眠る。いつもならぱっちりとお目々をあけていて、PCなどいじっていると「遊ぼ~う」って感じで私の腰のあたりをすりすりする。おお、よしよし。ちよっとだけ遊んでやる。
猫好きの息子御用達 お侍の傘。
開くとこんな感じ
袴には似合いそうだけど、ジーンズにはムフフだぞ。ニャンタはいつも袴にしがみ ついて離れないが、この傘には冷淡だ。
袴好きの二ヤンタと侍傘の愛用者 昨日は少し暇だったので、猫のニャンタを追いかけてやった。好きなんですねぇ、かくれんぼうや追いかけっこが。
二階の階段の上から昇ってこいと催促する。
二階まで私があがると、いつも猫は隠れてしまう。どこに隠れたのか見当はつくけど、「猫はどこ~っ。あの猫、どこに行ったんだろ?」と、いつものお決まりの台詞をいう。すると誇らしげにしゃなり、しゃなりとニャンタが目の前を通る。
「ニャンタじゃないの」
すると、背中を『ひと瘤ラクダ』そっくりに曲げて逃げていく。そこでまたまた、お決まりの台詞の出番だ。その繰り返し、あげくのはてに猫は興奮して耳をぴたっと後ろへ反らせ、今にも飛びかからんばかりの様相を見せる。あっ、噛み噛みモードのスイッチが入った。
「だめ。おしまい」
猫をしかりつけて、下へ降りていくことにする。
昨夜、寝ていたらニャンタが私の後頭部をガブッ、ガブッと噛んだ。
「こらっ」と、猫を頭からひっぺがして部屋の外へ放りだし、ドアをぱたん。
甘い声や哀れっぽい声で「部屋に入れて。ぼく、さみしい」と、鳴きつづける。
知るか。
朝、ドアをあけると同時にどたんどたんと猫の足音。あらっ、耳聡い猫。もつれるような足音だなぁ。にゃーっ、ニャンタが駆け寄ってきた。
参ったか? 参ったらしいぞ。
一晩中、眠らなかったらしい。今日はよく眠る。しつけがうまくいけばいいのだが……すぐに忘れてしまうのね、ニャンタは。