猫の恩返し

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写真はうちの掃除機ネコ

猫が恩人のために体をはって戦うなんて、信じられない。でも、ずっと前に本当にあった話で、猫守の息子の友人であるN君のお母さんが、つくづくと猫の恩を思い知ったそうだ。そのご近所ではこの話は有名だったらしい。
N君のお家は大阪市の南部にあって、お母さんは駄菓子屋さんをしていた。お父さんは会社を経営している。N君のお母さんは猫好きで、近所の野良猫たちにいつも餌をやっていた。
駄菓子屋には近所の子供たちが集まり、野良猫もその近くでくつろいでいたらしい。
あるとき、様子が変な犬がふらりと現れ、子供たちに襲いかかった。悲鳴をきいて、N君のお母さんはびっくりして表に飛び出し、とっさに小さなお得意さんを護るために犬の前に飛び出した。すると犬はN君のお母さんにかみついた。追い払おうとすると何度もかみつかれた。
うわーっ、かみ殺される。
そのとき、野良猫がぱっと犬に飛びかかった。それ続け。何匹もの野良猫がいっせいに犬に飛びかかり、犬にかみついたのだ。
犬が逃げたのか、死んだのか忘れてしまったが、N君のお母さんは大けがをしたけど助かった。
けれど猫は犬にかみ殺されたり大けがをしたそうだ。
それ以来、N君のお母さんは、「猫は命の恩人」だとして、前よりもっと大事にするようになった。
息子がN君と知り合った頃は、N君のお家では老若男女あわせて七、八匹の猫を飼っていた。
N君がギターを弾きながら自作の歌を歌いだすと、猫たちはN君をぐるりと取り囲んで聞きほれると自慢する。
今、N君は料理人で某ホテルに勤めているが、今でも猫の聴衆相手に弾き語りをしているだろうか。