猫ぐったり、飼い主おろおろ 毒蜘蛛のせい?

   猫ぐったり、飼い主おろおろ 毒蜘蛛のせい?

 去年の十二月二十五日だったか
 ニャンタの様子がおかしくなったのは。
 二十五日はこんこんと眠り続けた。
 食欲がないのか少しも食べない。
 乾燥タイプのキャットフードがちっとも減らない。
 食べないから猫は便秘
 あれっ。おかしいなと思いながら
 バイトが忙しかった。猫は構ってやれなかった。
 骨なし皮なしの塩で処理していない「しゃけ」を焼いて、すり鉢でフレーク状にしたのは
食べる。
 三十日には便秘が収まった。ほっ。

 でも食べない。猫はスリムになった。
大掃除していても「ちょい、ちょい」と猫の手が伸びてきて、邪魔することもない。
お陰で、床や階段にワックスをかけることができた。
窓ふきもすませた。
ああ、猫が、
すっかり痩せてしまった。
 ニャーニャー鳴いて訴えるのだが、何が何だかわからない。だっこして台所まで行き、無理やりしゃけを食べさせる。
 ニャンタたら、
 ふんとそっぽを向いて、よたよたと居間のこたつの所まで行くとニャーニャー鳴いて、こたつ布団をめくりあげさせる。こたつにもぐりこんで横になっている。
 悪いものを食べさせた覚えはない。
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今日は暖かいので三時間ほどソファで眠る ただいま、こたつの中
  
唯一、思い当たるのは蜘蛛だ。毒蜘蛛だ。
大掃除のとき、ガレージにセアカゴケグモが住みついているのを見つけた。シャッター式のガレージは引き戸一枚で室内に入れる。真綿を引き延ばしたようなセアカゴケグモの巣がシャッターの溝に、ほこりのようにびっしりと詰まっていた。
引き戸が開きっぱなしになっていたのだ。ニャンタはしめしめとガレージに入り込んで遊んだに違いない。見つかったら、私に捕まえられて、足をきれいに洗わされるの
で、「ボクは知らんよ」と、こそこそと出ていき知らんぷりだ。
動くものには反応する。「ちょいちょい」と前足でつつきまわすからなぁ。

かくして元旦を迎えた。
背骨がとがっている。アルプスの尾根みたいな背中、全く食べないからだ。
動物病院へ。受付時間は三十分だけ、というのに滑り込んだ。
血液検査してもわからない。
食べないから低体温、貧血。
点滴してもらった。


 点滴が効いたのか少し元気になった。
 少しずつ食べだした。夜なかに餌をたべているみたいだ。
 こたつの中で私の足をかみだした。力強く。痛いけど、うれしかった。しだいに元気になったのだ。
 一時はニャンタとのお別れも考えた。もう、猫なんか飼わないぞとも思った。

でも、いろいろと猫の栄養剤もあるのね。猫のたべものから、ペースト状のスタミナ剤、飲み物などなど。
 猫は少しずつ元気になっていくけど、飼い主はもう、気疲れがして……ああ、しんどいことです。