大衆演劇を観た

           大衆演劇を観た

 ちょっとした知人から大衆演劇の割引券をいただいた。歌舞伎や宝塚歌劇osk株主優待券があったせいで、小さい頃はよく観に行った。大衆演劇も、当時の住まいの近くに劇場があったので、大人にくっついて観に行ったものだ。
 興行主の子が小学校の上級生で、吉野山の林間学校の時に芝居の話をよく聞いたものだ。

 懐かしさにかられて、八月の中旬に「近江新太郎一座」の公演を観に行きました。昼と夜の一日二回公演です。
イメージ 1


イメージ 2
羅い舞座(らいぶざ)の客席
するとまあ、開演五十分前の劇場内は人影まばらでしたが、
開演前になると五十人くらいに増えました。
 やがて舞台映えする華やかな化粧、衣装のお兄さん、お姉さんが踊ったり、歌ったり、夢の世界です。お芝居は「天竜しぶき笠」、花道や通路に役者さんが出没して、会場との一体感はライブならではの凄さ。楽しい。結構はまります。お昼のこの時間帯は私のお昼寝タイムなのですが、大音量の音楽、歌声で耳がしびれて居眠りどころではありません。
 
 観劇の目的の一つは、役者さんとご贔屓さんとのやりとりを見ることでした。バブリーな時代には、おひねりというのでしょうか、お札のレイというのでしょうか、百万円が出るのよと、知り合いから伺いましたので、今日はどんな具合かしら? 興味しんしんでした。出ました。クリップで贔屓の役者さんの襟に二万円を止める人、次の人は三万円をクリップで止める。封筒を渡す人もいました。クリップ代も結構するとか。封筒を差し出す人。中身は五千円札だそうです。

 大学生の時、一つ学年が上の男子学生が旅回りの劇団に入るために学校をやめるといいだし、上級生たちが引き留めていました。演劇のえの字も聞いたことがないごくごく目立たぬ人でしたが、デーモニッシュな何かに鷲づかみにされたのでしょうか。 学校をやめて旅回りの一座について行ったらしい。今頃はどこかで歌でも歌っているかもしれませんね。

 しばらくは大音量の音楽やら、歌声が耳にへばりついて消えませんでした。また
割引券をいただいたのですが、今回は見送りました。