雑学 魚の漢字


        雑学 魚の漢字の覚え方

 鮎(あゆ)と鯉(こい)が鱚(きす)をして
 鰒(ふぐ)鰊(にしん)してしまい
 鮎(あゆ)の鰈(かれい)は鮫々(さめざめ)と泣き
 鮎(あゆ)主人一言鰯(いわし)てもらうと鰤々(ぶりぶり)怒る

 鯒(こち)はそれを見て
 鯛(たい)したことはないと鮃(ひらめ)顔
 鱈(たら)鰆(さわら)ぬ神にたたりなし
 𩸽(ほっけ)と云い
 それから鮠(はや)くも丸三年
 何の針魚(さより)もないままに            注*鱵(さより)
 鮭(さけ)の鱸(すずき)な鰈(かれい)氏
 鱒々(ますます)焼鮭(さけ)を鱶(ふか)のように飲み
 鮹(たこ)のごとく鮪(まぐろ)くなり
 鮗(このしろ)枕も鯊(はぜ)もあの世行きとなり
 鯖々(さばさば)として目出鯛(めでたい)終末となる

 
 これを教えて下さったO氏は
 奥様が女子高の国語先生をなさっていたせいもあり、時々私に
 難読熟語のテストをなさいます。それも今は懐かしい思い出となりました。
 氏からいただいたメモの鯊(はぜ)、魚へんに少のつくりとなっていましたが、いくら  探しても見当たらない漢字だったので、鯊に改めました。

 いくら魚へんの漢字に強くなるといっても、小中学生にはちょっと……ですね。
 氏の奥様は、
 やわらかい言葉をつかわないといけまへんで
 忠告してくださいます。
 お掃除の便利グッズをプレゼントしたさいに、手荒れしてはいけないと思ってゴム  の手袋まで同梱しました。
 「おおきに。なにからなにまで手袋までおおきにどっせ」
 「買い置きのゴム手袋やさかい、はようつこてしまわんと」
 「そうどすか、ゴムは風邪ひきますぇ」
 「えっ……」
 「そういいますねんよ。ゴム手袋古うなってしまうの」
 「ああ、フィルムが古くなって使いものにならなくなるのを『風邪をひく』といいます  ね」
 「そう、ゴムも風邪ひくのどすぇ。なんでもそう表現するのがよろしおす」
 京女は手ごわい。
 ドテラ(褞袍)という熟語の読みでつまった。
 「褞袍なんてしらん人、おおおすぇ」
 京女はにっこり顔をほころばす。さよかと、私はほころびた顔の真意を読みあぐ   ねるのだった。ま、深く考えないでおこう。