ムムッ。ニヤンタ、人語をしゃべる

あんなに驚いたことはない。
ニヤンタがうちの子になって二カ月くらいのときだ。
眠ろうとするとニヤンタが枕もとにうずくまってじっと私を見ている。
おやすみニヤンタ。ネンネの時間。ネンネ。
睡魔に首元までひきずりこまれながら言い聞かせる。
するとニヤンタが野良育ち丸出しのドスがきいた声で
「あんたともっと遊びたいだけや」と言った。
睡魔がふっとんだ。ニヤンタを見ると、ニヤンタは相も変わらず私をじっと見つめている。
おお、これは夢だ、夢だ、目覚めていながら見る夢もある。
私は、がばっとふとんをひっかぶって寝てしまった。
寝ぼけていたのじゃない?
そんなのあり得ない。
なんとでもおっしゃてください。そういうこと、何度かありました。ただし、私には眠りに引きずり込まれるまえに夢を見るようなこと、幻覚はありませんが幻聴の一種なのでしょうか、声を聞いてはっと目が覚めることがあります。

子猫のときのニヤンタは不思議な能力をもっていた。その能力は、話せばながくなるので次の機会に。