丁夫人の嘆き 雑記 十六

           丁夫人の嘆き雑記 十六
 
      黄河の河道が変わった
 
だれよりも真っ先に義兵をあげた曹操は陳留郡の酸棗(さんそう)に兵を集結させます。
 東漢時代の酸棗は黄河(河水)の南にありました。
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太い赤○で囲ったところが酸棗で、太い水色の線が黄河です。
 古代の酸棗城は、今の河南省新郷市の延津県に属しています。城址は残っていないようです
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 これは現在の酸棗付近です。
なんと黄河は延津県のはるか南方を蛇行しているではありませんか。
河道が変わったのです。自然に変わったものとは思えませんが、どの時代にだれが治水工事をしたのか知りません。
 曹操がたどった景色をイメージするために現地を訪れても、往時の風景をしのばせるものはありません。
 「桑田変じて蒼海となる」あるいは「蒼海変じて桑田となる」ですね。
 
 地形の変貌については、「晋書」に、長江の流域で一夜にして中洲ができたという記事が出てきます。
 ちなみにこのころの地図によると今の上海市は半分以上が海のなかです。長江は
せっせと土砂を運び中国の領土拡大に貢献しています。と、なると将来、中国の領海はもっと広がるということでしょうか?
ああ、杞憂はよしましよう。