好き者の墓に現れたもの
好き者の墓に現れたもの
呉国の胡邕(こよう)は好色だった。
妻、張氏を娶ったが彼女を憐れんで捨てなかった。のちに妻が亡くなった。そして、邕もまた亡くなった。家人は後園の中に殯(かりもがり)した。
三年後に埋葬したのであるが、塚の上に、いつも、寝床で抱き合っている二人の姿が現れたのである。人々はこれをみて盛んに笑った。
注*殯(かりもがり)(かりもがりする。)
人が死んで葬るまでのあいだ、屍を棺に斂(おさ)めて仮に安置しておくこと。
注*競
つよい、さかん、きそう。
太平広記 塚墓一 胡邕
Chinese Text Projectより 拙訳